第1作 スタソマ物語について
絵巻物第1作目は、インドネシアに古くから伝わる抒情詩 ”スタソマ”物語です。
この物語は、14世紀、時の王ハヤムフルックに仕えた宮廷詩人、タントゥラールによって、古代インドから伝わった仏教典を基に作られました。
プロフィールの絵(上の絵)は、タントゥラールを描いたものです。
仏陀の生れ変わりとされる王子スタソマは、王の座に着くことを拒否して、修行のたびに出、悟りを開いていきます。
道中、力の象徴である像、権威の象徴である龍、欲の象徴である虎、と会い、悟りを説き、主従させてゆきます。
同じく他国の王子であり、修行を積み、王の座についている、プルサダと出会います。
プルサダは魔王の生れ変わりであり、自身の中に善と悪を共有させています。
時を経て、魔王と化したプルサダが100人の王を生贄に捧げることを命じたと知ったスタソマは、自身を生贄に捧げる代わりに、僧達を自由にさせる約束をして、生贄となります。
後、プルサダは後悔して改心しますが、彼の内には依然善と悪が共有しています。
全ての物事の中には、善と悪、明と暗、などの異なった性質を同時に持ち合わせて、それぞれが共有することによって成り立っている、という考えに基づいています。
このテーマは、多数の民族・宗教からなるインドネシア共和国の標語に用いられています。












